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どう向き合っていくか

女性

適切な回復法を知る

非定型うつの人に対して、言葉のかけ方、態度、接し方などコミュニケーションのあり方を全般に見直し、変えていくことは本人の回復のサポートにつながっていきます。従来型のうつ病とは異なり、甘やかしはよくないといわれますが、だからと言って、その逆のことを試みればいいというわけではありません。たとえば、従来型のうつ病の人にとって、がんばれなど激励することは厳禁です。しかし、非定型うつの人にとっては、励ましの言葉をかけても問題ないという医療者は意外と多くいます。ですが、どちらのタイプであっても、その言葉はプレッシャーになってしまうことに変わりありません。非定型うつの人を周囲の人が支えていくためには、特に、自分はどういう心の状態であるかを把握することが大事です。加えて、相手はその時、どんな心の状態であるのかを的確に知ることが重要です。そうすることで、双方にとって、もっとも好ましい形のコミュニケーションを意識的に選ぶようになっていきます。大変なことですが、相手の心的態度に合わせて、臨機応変に言葉や態度を使い分けていくことが大切です。一般的に非定型うつの人は、事実志向、養育的コミュニケーションが有効になります。ただし、養育的コミュニケーションは、非定型の場合には、急性期のみ適切とされています。本人の症状がどの状態にあるのかを医師と相談しながら把握していき、適切なコミュニケーションを心がけていくことが大切になります。難しいと感じるときには、医師や看護師などに相談しながら、どれくらいの塩梅がいいのかを確認することが大事です。非定型うつでも、薬物療法の原則は、ほかのうつ病と変わりありません。ただ落ち込みがつづくだけでなく、気分の上下が繰り返されるような例では、抗うつ剤ではなく、気分安定薬を中心に処方されます。急性期には十分な休養と薬物療法が原則です。非定型うつの場合、躁的要素が明確になった場合は、炭酸リチウムやバルプロ酸などの気分安定薬をベースにして、抑うつが深い時には、非三環系抗うつ剤やSSRIなどを投与します。不安や焦燥が強い場合には抗精神病薬を併用することもあります。気分安定薬の炭酸リチウムは、通常はうつ状態ではなく、むしろ興奮や高揚、イライラなどの躁状態のために使われる薬です。うつ症状が、非定型うつの一種である未熟型のうつ病に基づくものということが明らかになった場合に有効です。その場合の治療の基本は抗うつ剤ではなく、いくら状態が軽いものであっても、躁状態をターゲットにした薬の処方が必要になります。しかし、非定型うつの場合、一概に薬の効果があるともいえないのが実情です。従来型のうつと比べて、他罰的な要素が強いため、治りが遅い場合、治療者のせいにしがちで、治療関係がこじれてしまうことがあります。そうなると遷延化を招いてしまうことになるので注意が必要です。そうしたことを避ける意味でも、カウンセリングなど精神療法的アプローチが必要になってきます。職場や家庭内での人間関係などの環境調整はもちろん、自己評価の回復も行うことが大事です。これは、これまでの生活史を振り返り、長所を見つけ出す作業になります。